京都の雅! 2019年曲水の宴を見に行きませんか?

城南宮入り口

3月3日の桃の節句に、朝廷や公家が、山麓や樹林、
庭園の中を、曲がりくねって流れてくる川の周辺で、
上流から流されてきた盃が、自分の前を通り過ぎてしまう前に歌を詠み、
その盃を取り上げて飲みほすという、曲水の宴があります。

読み方は、きょくすいのえん、きょくすいのうたげ、ごくすいのえん、
ごくすいのうたげ、などありますね。

奈良時代から平安時代に発祥した貴族の行事の一つです。
また、めぐりみずのとよのあかり、ともいい、
なかなかに雅な感じがしますね。

歌詠みの後は別宴で、その歌の解釈を講義するという知的な催しなのです。

起源は中国から渡ったもので、日本でもその歴史は古く、
485年に催された記録があるんですって。
因みに485年は古墳時代でしょうか?

奈良時代になって3月3日に、日にちが定められたようです。

天皇主催の催し事ですが、750年頃には貴族によって、
私的な遊びになっていたと、万葉集の和歌から読み解かれています。

京都で催される曲水の宴

・城南宮(じょうなんぐう)

今や京都の風物詩になった曲水の宴ですが、
平安時代には途絶えてしまいました。

復活させたのは、御所の杉戸絵から、
おしどりの姿を模した羽觴(うしょう)を復元させたことから
再開したようです。

今では、毎年4月29日と11月3日に行われてれています。

和歌なんかわからないって?

装束を観るのが楽しみなんですよ。平安時代、狩衣や小袿姿で、
琴の優雅な音色が響く中で、和歌を詠み短冊にしたためる様子が、
なんとも美しいのです。

川上から流れてきた盃を取り上げ飲み干す様は、
昔の姿そのままだそうです。

詠んだ和歌は神様に奉納されます。

白拍子の舞も披露されますので、
ぜひ一度は雅な催しを見物に出かけませんか?

白拍子の舞は男装の遊女などが、今様を舞った歌舞伎の一種です。

こんな機会でも無ければ目にすることもないですものね。

城南宮の歴史は古く、三韓征伐の際に立てた旗とともに、
大国主神と神功皇后を祀った真幡寸神社(まはたきじんじゃ)が
始まりと言われているのです。

その後、平安京遷都の際に国土の安泰と都の守護を祈願して、
国常立尊(くにのとこたちのかみ)が併祀され城南宮になりました。

その後応仁の乱で荒廃したものの、
江戸時代に真幡寸神社に改め、
1968年に城南宮に戻し、真幡寸神社は摂社として、
新しい社殿が造られたんですって。

曲水の宴はどの地でも途絶えてしまい、
今は復活という形で残っていて、
また平成になってからは、あちこちではじまりました。

2019年の曲水の宴は4月29日14時から予定されています。

・上賀茂神社

賀茂曲水の宴は、1182年に神主が歌人を招いて行ったのが起源だとか。

1960年に浩宮様誕生を記念して再興されましたが、
その後1994年に皇太子ご成婚と、
41回式年遷宮の記念奉祝行事として復興されています。

賀茂曲水の宴は渉渓園の庭園で催されます。

賀茂の曲水の宴は斎王代が和歌を詠み、
羽觴(うしょう)が盃を歌人に運びます。

その後回収された和歌は、
冷泉家時雨亭文庫(れいぜいけしぐれていぶんこ)
によって披露されます。

スポンサーリンク

また野点も行われていますが、
確認が必要で予定どうりではないこともあるようです。
2019年は4月14日13時から予定されています。

・北野天満宮

北野天満宮の秋の曲水の宴は千百年ぶりに再興されました。

菅原道真は宇多天皇主催の曲水の宴に度々招かれ詩を詠みました。
その詩は漢詩文集、醍醐天皇に献上された菅家文草に収録されています。

菅原道真は学校で習いましたよね。
秋の曲水の宴では、菅原道真に由来し、
和漢朗詠集に収録されている詩文が朗詠で披露され、
白拍子の舞が舞われます。

北野天満宮は平安時代947年に神殿が造営され、
菅原道真を祀ったのが起源です。

その後は皇室に崇啓される北野天満宮になりました。

1444年に室町幕府の攻撃により焼失し衰退しましたが、
1587年に豊臣秀吉により、
大規模な茶会が開かれ1607年には豊臣秀頼により、
本殿が造営されました。

北野天満宮は菅原道真を祀った神社の総本社になります。

秋の曲水の宴は拝観券が必要で、
社務所またはネットで購入できますよ。

各地の曲水の宴も復活!

城南宮_小川

長い歴史のなかで育まれた伝統行事も、
一瞬で途絶えてしまうこともあるのですね。

一度は途絶えた曲水の宴もゆるやかに復活して、
今や曲水の宴は全国各地で催されています。

京都の祭りやこうした催しは、
上品にゆるゆると進みます。ゆっくりですね。

でも、慌ただしい生活を忘れて、
その流れに委ねて装束や詩や舞を楽しんで来て下さいね。

曲水の宴は開催地により、イベントの形も様々で、
それぞれの土地にちなんだ催しになります。

富山県ではふちゅう(婦中)曲水の宴が、
平成になってから復活しています。

富山藩時代に催されたころは、
歴代藩主が長沢山の桜が咲きほこる庭に会して、
歌を詠んだそうです。

ふちゅう曲水の宴もまた平成に復活しました。
古式豊かに藩主入山行列が行われ、古典文化の催しがあります。
ふちゅう曲水の宴は平安時代の装束の美しさと、
桜咲く庭園の華やかさに、平安時代にトリップしちゃいます。

その他の各地の曲水の宴をみてみましょう。

3月第1日曜:太宰府天満宮(福岡県太宰府市)
3月第1日曜:赤間神宮(山口県下関市)
3月上旬:男山庭園(北海道旭川市)
4月第1日曜日(隔年):仙巌園(鹿児島県鹿児島市)
5月第1土曜日:代継宮(熊本県熊本市)
5月第4日曜:毛越寺(岩手県平泉町)
6月上旬:養寿院(埼玉県川越市)
10月第3土日曜:浜北万葉まつり(静岡県浜松市)

曲水の宴:Wikipedia

さいごに

正直言って、こんなにたくさんの地域で復活しているとは知りませんでした。

それに、お好きな人ならともかく、日常の生活で「歌、和歌、詩歌」など、
あまり考えたことはないのです。(汗)

面白おかしく詠む川柳には少し興味がありますが…。

けれども、長い間途絶えていたとは言え、この国の長い歴史の中で、
このような風趣があったのは何となく嬉しいものです。

>> 勇壮な鯉のぼりの里まつり! 家族揃って行ってみよう!

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする