お正月飾りは大晦日より前に飾ることになっています。
だから、お飾りの職人さんたちは、歳の瀬になると、
受け持ちの家に飾り付けに回って歩いて、
神様にお正月飾りを付けてくれるのですね。
忙しいものだから、今日が30日なのに、夜になっても職人さんがこなくて、
ヒヤヒヤしたものです。
正月のお飾りは28日までに済ませますが、最近では職人さんも少なくて、
我が家では毎年気を揉みます。
なので我が家の正月飾りは、30日になってしまいます。
お正月飾りのそれぞれの名前を知ろう
・玄関には一対の門松を飾ります。
門松は松竹梅と注連飾り、南天、葉牡丹、杉の葉を飾り、
鉢をこも、むしろ、竹の袴で包みます。
・しめ縄飾り
しめ縄飾りは、紙垂、裏白、ゆずり葉、橙で、しめ縄を飾ります。
・破魔矢
破魔矢はお正月の縁起ものとして、神社で授与されます。
つまり、初詣の折にお金を出して買うのですが、
神様を売り買いなんてとんでもないことなので、授与と言います。
・鏡餅
鏡餅は丸い形の餅を大小二つ重ねたもの。
三方という台の上に、裏白、四方紅、その上に餅を載せます。
餅に御幣と橙を飾ります。
正月飾りには意味がありますから、覚えておいてくださいね。
正月行事とは、新年を迎えるにあたって、
歳神様をお迎えするための行事なんです。
歳神様は、それぞれの家々にやってきては、
生きていくための力や幸福を分け与えてくれると信じられてきました。
そのためにお正月飾りは毎年、
結構当たり前のこととして続いてきたのですね。
・門松の意味、由来
門松には、大きく分けてふたつの意味が込められています。
・歳神様が迷わないようにする目印
・長寿祈願
歳神様が新年に、これを目印にやってきて下さるのだそう。
そして、常緑の松に歳神様が宿るって言われているので、
家の入り口の左右に飾って、お迎えてしているんです。
初めのうちは、杉の木だったそうですが、
平安時代ごろから、神様が宿る木として、
松の木が使われるようになったんだとか。
飾られるようになった由来は、
平安時代の「小松引き」という宮廷儀式です。
この「小松引き」とは、
その年最初の子日(ねのひ:十二支の子にあたる日。とくに、正月の最初の子の日をさす)に、小さな松を引き抜くことで、長寿を祈願する儀式です。
この儀式が変わっていき、平安時代後期になると松を玄関に飾るようになったそうです。
当時は、竹はなく松だけだったようですね。
時が流れ、室町時代になると、長寿を象徴する竹も一緒に飾られるようになり、
現在の門松の形になっていったそうなんです。
お正月飾りの門松は、俳句の新年の季語にもなっています。
松、竹、梅が飾りに入っているからですね。
中国から伝わった歳寒三友に由来しているそうで、
歳寒三友とは、中国の宋時代から始まった文人画の題材の一つ。
日本では松竹梅と呼ばれています。
松は祀るに由来しているから、不老長寿や繁栄の象徴です。
古来中国でも縁起のよい木で、古く日本に伝わったんだそう。
竹は次々に新芽を出して枯れることがないから、子孫繁栄。
梅は苔が生える程の樹齢でも、先に花を咲かせるから、気高さや、
長寿の象徴とされています。
南天は、難点転じて福となすということから、厄災を防ぐと言われています。
寒い時期に真っ赤な実はいかにも華やかでお正月にふさわしいですよね。
葉牡丹を飾る意味は、昔は牡丹を飾っていたのですが、
葉牡丹は育てやすく安価だったために、変わっていったのだとか。
祝い花として用いられています。
牡丹は高貴や富貴としての意味があります。
・しめ縄飾りの意味
しめ縄飾りは、歳神様が降りてくる目印になるのです。
「門松」「鏡餅」そして「しめ飾り」!
「しめ飾り」が目印になっていたとは。
神様が宿る場所との結界を意味しています。
・紙垂(かみしで):神様が降りてきたことを意味する
・裏白:清廉潔白を表わす
・譲り葉:子孫繁栄
「しめ飾り」にはしめ縄が使われていますね!
このしめ縄には、古くから、私たち現世の世界と、
神様の世界をわける結界の役目があり、
その中に不浄なものが入ってこないようにします。
「邪気を払ってその場を清める」という意味があります。
しめ縄の由来は、日本神話にあるといわれています。
その昔、天照大神が天の岩戸から出てきたときに、
また天の岩戸に入らないようにしめ縄で戸をふさいだそうです。
このお話から、「しめ」には「占め」という意味が付き、
神様の占める場所になったといわれています。
家に飾る場所は玄関外と、神棚があるお宅では神棚にも飾ります。
ごぼうじめと、リースのような形の輪じめがあります。
神社でもしめ縄が飾られているけど、
これはしめ縄より内側に神様がおられるってことなのですね。
お飾りの橙は、代々繁栄を願い、裏白は裏表のない清らかな心、
ゆずり葉は子孫が途絶えないように、昆布は喜ぶを意味しているのですね。
裏白はシダの葉ですが、不老長寿の意味もあります。
紙垂は神様が宿る場所を現わし、もし海老が飾られていたら、
腰が曲がるまで長生き出来ますようにって意味があるのですね。
・破魔矢の意味
破魔矢は魔を射るって意味があります。神様に矢先が向かないように、
矢先は天に向けない、頭より上に置かない決まりがあります。
・鏡餅の由来
鏡餅は昔の鏡の形をしています。鏡は三種の神器のひとつです。
餅は神饌として、神様の食べ物です。
歳神様はお正月に家に来て、鏡餅に宿ります。依神と言うんだって。
鏡餅を分けて頂くことは、魂を体内に取り込むことになります。
お正月はお雑煮を食べるでしょ、魂をとり込むので、ひとつ歳を取ります。
数え歳という歳の数え方があって、お正月を迎えたときで一歳になり、
正月の度に歳を重ねてゆきます。
まとめ
日本は八百万の神様がおいでになって、
あらゆるところから守ってくださっているということでしょうか。
ちなみに「やおよろず」と読みます。
家の中には、荒神様、竃神様、納戸神様、水神様、厠神様がおられると
神道では考えられています。
お正月を迎えるにあたり、28日までに、全ての神様にもお供え餅を飾りました。
鏡餅は神様がいる場所ですから、床の間に飾ります。
床の間がなければ玄関でもいいみたいです。
置く場所や方向など、もちろんそうした伝統は、今でも継承されています。
日本の伝統行事を知ることで、一年を節目で区切り、
新たな年や季節を迎える準備と心構えが出来るのですね。
日本の神道に基づいた伝統は、宗教などではなく、
連綿と続いてきたもっと身近な、
土地や風土に拠るところが大きいですね。
そんなことを知ることにより、より暮らしやすくなるのではないかな、
と感じています。
親の世代が普通にしていたことですが、
調べなくては分からなくなってしまいましたね。