今年も七夕祭りが全国各地で開催されます。子供の頃に見た七夕祭りは、街が綺麗に飾られ、夜に明かりが灯るとキラキラ輝いて別の街にいるみたいな不思議な気分になったものです。
七夕の歴史は諸説ありますが、中国から伝来したのは間違いないようです。
中国では乞巧伝(きこうでん)という行事がありました。機織りの上達を願い7月7日に庭先に祭壇を設けて、針などをお供えしたといいます。
織姫にあやかった行事で、古くから星に因んだお祭りだったんですね。
そして、日本古来の棚機(たなばた)という行事、中国の牛郎織女(ぎゅうろうしょくじょ)という織姫と彦星の物語が融合してたなばた、しちせきと呼ばれるお祭りになりました。
日本古来の神事と、中国から渡ってきたお祭りが1つになったというのが今の形に近い七夕なのです。
日本では平安時代に宮中の行事として、1年間の重要な5節句のうちに入っていました。
毎年7月7日の夜に、笹の枝に短冊や願い事を書いた紙をつるして星にお祈りします。
ひさかたの 天のかはらの渡し守 君渡りなば かぢかくしてよ
古今和歌集に収められている歌です。
天の川の渡し守りよ、彦星が川を渡ったら魯を隠してくださいね、という、彦星に帰らないでという織姫の心情と自分を重ねて読んだ歌ですね。
七夕は元々は旧暦に行われていましたが、現在は太陽暦で行われています。7月7日ですが、旧暦ですと、ほぼ1カ月遅れになりますね。東北地方では伝統的七夕と呼ばれて、8月に入ってから行われるところがあります。
2019年の伝統的七夕は8月7日になります。これは月の動きが基準になっているんだそうです。旧暦は、月の満ち欠けで月日が定まってくるので、なんと、毎年日付は変わります。
七夕の星空を見上げてみると・・
奈良や平安時代の人々も、七夕の星を見上げてロマンチックな気持ちになっていたのですね。
あの時代の星空は、今よりももっと輝いていたでしょうね。
七夕の星座とその周辺の、春から夏の星空は1等星がとてもきれいです。
天の川に翼を広げるわし座のアルタイルが彦星です。牽牛は中国の呼び名ですね。
織姫はこと座のベガで織女ですね。どちらも夏の夜空にひときわ明るく輝く1等星です。物語の中では1年に1度会うことが叶う星です。
この2つの星は天の川を挟むような位置になります。そしてもう1つが白鳥座のデネブです。
天の川を挟んだ位置に、ベガ(織姫)の東側にある星がアルタイル(彦星)で、この2つの星よりも北側に位置し、天の川の内にいるのが白鳥座のデネブなのです。
明るい3つの星を結ぶと、夏の大三角形がみえます。3つの星の中ではデネブが一番暗い0.8等級です。
見つかりましたか?
7月なら夜10時ころになると、てっぺんに見えます。
七夕のお話とともにお子さんと夜空を見上げてみませんか?
もう少し早い時間じゃないと寝てしまいますよね。早い時間なら東の空から昇ってきますから、東を探してみてね。
これで、1度に3つの星を覚えてしまいます。白鳥座は北十字星とも言って十字架の形ですから見つけやすいんです。
白鳥座はベガに会いに行くために、大神・ゼウスが姿を変えているという説もあるんですよ。星座はギリシャ神話に絡んだ星がありますが、何か興味を惹かれます。
七夕に願いごとをするわけは?
庶民の間でも七夕をお祝いするようになったのは、江戸時代に入ってからなのです。
七夕祭りはアジア圏では様々な国で行われていますが、願いごとを書いて笹の枝に下げるのは日本だけの風習なんですよ。
七夕が宮中行事だったころに、和歌を詠んでいました。
庶民がお祝いするようになり、中国の例もあり、お裁縫の上達を願っていたのが、習字の上達もお願いするようになり、和歌の上達もお願いしました。
それがいつのまにか恋愛成就まで短冊に書いてつるすようになりました。
七夕祭りはなんでもお願いしてもいいようですね(笑)。
世相を反映する? 七夕の願いごととは?
1位 健康のこと
2位 お金、経済面
3位 仕事や学業のこと
4位 恋愛成就や恋愛祈願
5位 生活(日常生活の小さいお悩みのようですよ)
子どもたちの願いごとは見て歩くだけで楽しいですよ。
えんぴつになりたい (???)
花火になりたい (???)
ママがこわい・・(うん、苦労してますねぇ)
学校がプールになりますように (???)
もういやだ (???)
ここのところ数年は物欲がなくなっているのか、ほしいほしいと書いてある短冊が案外少ないのです。
私の子どものころは、あのおもちゃがほしいとか、お菓子がほしい、お小遣いが増えますように、なんていうのがありましたけれどね。
今年は、どんなお願いがつるされるのか、楽しみですね~。
まとめ
夏の夜空を見上げて星を探すことって、なかなかないですよね。
都会の夜空は明るいですから。でもね、少し街の明かりから離れたところで見上げていると、都会でもぼんやり天の川が見えてきます。
空の点を結んで星座の形にしたのは、紀元前4000年も昔のことです。メソポタミア文明よりも前なんて言われています。
アルタイルやベガは大昔から天の川を挟んで星座のうちの1つとして輝いていました。
白鳥座のデネブは夏の大三角形の1つですが、白鳥のお尻って意味なんですよ、頭は反対側にあります。
星座を1つ覚えると、夜空は次々に新しい物語を聞かせてくれます。
七夕祭りは星祭りとも呼ばれています。
久しぶりに銀河鉄道の夜が読みたくなりましたよ。