入居するときにも、敷金や礼金がありましたが、
その時に交わした契約書に退去時の説明があれば従います。
契約書は必ず目を通してから捺印しているはずです。
退去時は原状回復を願います。
えっ? 原状回復って、
5年も前に入居したときの状態に戻さなくちゃいけないの!!
焦りますよね。退去するのに幾らかかるのか、途方に暮れます。
退去時に起こるよくあるトラブルって?
原状回復のトラブルはとても多いんですよ。
でも大家さんの言うことが100%正しいとは限りません。
原状回復とは、普通に住んでいて壁紙が汚れたり、
破れたりするのは仕方がないことなので、
それらの傷みや傷の修繕費は大家さん負担です。
国土交通省のガイドラインでは、
貸借人の居住、使用により発生した、建物価値のうち、
貸借人の故意や過失、善管注意義務違反その他、
通常の使用を超えるような使用による損耗、毀損を
復旧することとなっています。 (引用:国土交通省)
つまり、壁を蹴って穴を開けたり、
ドアにペンキで落書きしたり、
棚を直接壁に設置するような行為はダメですってことですね。
釘穴1つ幾らとか床の傷1つ幾らとか、
書いている大家さんもいますよ。
穴やキズには注意しましょう。
家具を置いたときに出来た凹みは大家さん負担です。
こちらも常識の範囲でと付け加えておきますね。
和室のアパートにジム仕様のトレーニングマシンを入れて、
床が抜けていたというケースがありましたから。
退去時の費用は、敷金でまかなえます。
敷金がないところでは、別途請求になります。
敷金の返却を渋る大家さんもいますので、
そのときには明細を要求しましょう。
破損した箇所がない場合、原状回復と言っても、
きちんと清掃がしてあれば大丈夫です。
壁紙が破れていても、
ひどくなければ、請求は来ないものです。
次の借り手がつく前に内装屋さんと、清掃業者が入っります。
タバコを吸う方の場合は、
クリーニング代1万5000円から3万円の請求があるかも知れません。
また退去の時に粗大ゴミを残して行くときには、
処分料金が発生します。
行政で決められた実費プラス手数料が加算されます。
つまり退去費用には相場がありません。
日頃から大家さんに対しての心象を良くしておくことです。
退去費用の分割払いはできるの?
基本的に退去費用に分割払いはありません。
支払えない場合は、連帯保証人に連絡が行きます。
ただし、大家さんも、ないものを払えとは言えないので、
分割に応じてくれるケースも時にはあります。
最近の敷金礼金なしの家具付き物件などの退去時は、
様々なトラブルの報告がありましす。
たとえば、練馬区や杉並区は、
植木鉢の土の処分が出来ないのです。
ベランダに大量の観葉植物を残して退去したら、
あとから数万円の請求が来てしまったとか、
ケーブルテレビを引くために壁に穴を開けたら、
壁一面の修繕費が加算されたとか。
大家さんの立場に立つと、納得できることも多々あります。
もしも、自分の理解の範疇を超える請求がきてしまったら、
宅建協会や消費者センター、法テラスに相談してみましょう。
退去時の不要品の扱いは?
賃貸物件を退去するときには、
ギリギリ1カ月前までには大家さんか仲介業者に知らせます。
ゴミ出しの表を見えるところに貼り、
計画的に引っ越しを進めて行きます。
特に、都内だと、可燃ゴミやリサイクルできるプラごみ以外は、
月に一回または月に二回です。
冷蔵庫やテレビなど家電は業者に引き取ってもらうか、
自分で処分場に持ち込みます。
粗大ゴミは1年間に出せる量が決まっているところもあります。
布団や家具などの粗大ゴミも申し込み制です。
退去までにゴミの行き先を決める作業は本当に大変です。
残ってしまいそうなものは、
仲介業者や大家さんに相談しておきましょう。
ゴミの収集まで、保管倉庫で預かってくれたケースもあります。
引っ越し業者さんが提案してくれて、
不要品を処分してくれるところもあります。
もちろんそれは引っ越し料金に上乗せされますが、
引っ越しそのものが大変なので、これは便利ですね。
鍵は2本ありますか?
最初に渡された鍵です。紛失したので、合鍵を作った場合には、
シリンダー錠ごと取り換えるので、鍵代の請求が加算されます。
合鍵では通りません。
最後に掃除ですが、業者が入りますので、
ゴミやホコリを取る程度で問題ありません。
窓ガラスやお風呂をピカピカにしなくても大丈夫です。
ガスや電気や水道は、大家さんと相談ですが、
退去の連絡をしたときに指示があります。
エアコンも自分で取り付けたものは、
断りなく置いていけませんので不要なら、
大家さんに指示を仰いで下さい。
次の方のために使う場合もあります。
引き渡しの時に、退去費用の精算をします。
最後に家賃ですが、月末で締めて日割り計算するところと、
月をまたいだら1カ月まるまるかかるところもあります。
契約書は、くまなくチェックしておきましょう。
まとめ
自分の家を持つまでは、大なり小なり、
アパートや賃貸マンションで暮らすという形が多いですよね。
私も若い頃はアパート暮らしをしていました。
退去時には敷金が戻ったり、戻らなかったりしました。
1度は、親の介護のため実家の近くに越さなければならなくなり、
急だったので、敷金は戻せない、と言われたこともありました。
契約書には2カ月前に申し出ること、とありましたから。
ただ、他にこちらから払わなければならない事態になった、
ということはなかったので、敷金は仕方がないと諦めました。
15年間暮らしたあるアパートの大家さんは、
「長く住んでくれてありがとうね」
と別れを惜しんでくれましたっけ。
懐かしい思い出です。
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