7月6日土曜日 テレビ朝日 18:56~20:54放送
ニッポン視察団!
宝石・仏像・かき氷まで・・「削る技術」極めた世界最高峰の8人!!
外国人が驚く!
「この職人技がスゴイ!」 ニッポンの“削る”スペシャル!!
今回は、実は様々な日本製品に生かされている日本の「削る技術」に注目。
「石」を削る、「ガラス」を削る、「食品」を削る、
色々ある中でも職人技として特にスゴイと外国人プロも驚いた8つを紹介。
削ると木に加工を施したような輝きを追加する技・・。
氷の状態を見極めふわっふわにする技・・。
熟練のスゴ技を持つ一流職人がスタジオで実演!
オンリーワンの技術を持つ「江戸切子」の職人が自身の「生きがい」と言い切るお皿の制作過程の中に見えた究極のカット技術!
仏像を彫る仏師の中でも最高位の称号「大仏師」の職人が削る不動明王の、厳しさの中に灯る優しげな表情を生み出す繊細な技術!
綾小路きみまろがナビゲートする「削る技」の世界。
きっとあなたは「削る」についてこんなに考えたことがないはず!
そんな2時間スペシャルです! 引用:テレビ朝日
日本の技術はどの分野でも唸らされることが多いけれど 削るって?
日本の技術で、削ることに特化した番組。どんな技術が見られるのか本当に楽しみなんです。
時間が経つにつれて氷は溶け出します。氷彫刻は一瞬の芸術ですよね。
そしてベテランの職人さんが自分の手で、コツコツ削りながら彫り上げるその作品は、なんと2週間前後の時間をかけて彫られるそうです。
削るというのか彫るというのか・・。間違いなく、氷を削っているんですよね。
しかも信じられないほど精密な形が出来上がります。
消えてしまう氷になんでこんなに情熱をかけられるのだろう?
「江戸切り子」本当に興味深い技術ですよね。
絶対に1つは何でもいいからほしい!! と憧れています。
それがお皿? え? お皿を作るの? 江戸切り子と言えば大体ぐい呑みとか、グラスとかを想像してしまうのですが。
いつも思うのですよ、仏像を彫る人ってどんな気持ちで彫っているのかなと。削ったり、彫ったりしているうちに、魂が宿るのでしょうか?
TV画面でなく、目の前で仏像を彫るところを見たいと常々思っているのですが。
出演者の皆さん
MC (爆笑問題)
太田光 1965年5月13日 埼玉県出身
田中裕二 1965年1月10日 東京都出身
番組ナビゲーター
綾小路きみまろ 1950年12月9日 鹿児島県出身
進行
井澤健太朗(テレビ朝日アナウンサー) 1994年 東京都出身
ゲスト
石原良純 1962年1月15日 神奈川県出身
飯尾和樹(ずん) 1968年12月22日 東京都出身
生駒里奈 1995年12月29日 秋田県出身
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追 記
削る技術、登場したのは
1/8「木」を削る[日本家屋]
宮大工大都流棟梁・西嶋靖尚さん 大工棟梁・岩本 剛さん
木材なのに水を弾く仕上げ! この削り技!!
建築家 アレックス(ポルトガル)さんの話
「木造の日本家屋はとても美しい! 大工の高い技術がそれを支えていると思う」
建築家 マルコ(イタリア)
「日本の住宅は海外でとても人気があります。日本の職人さんのおかげです。それは本当に素晴らしいです」
日本家屋のどこに外国人プロも驚く技術があるのか?
それは柱でした。
木造日本家屋は、木の柱を露出した構造が多いですよね。
柱は水を弾いてしみ込まないのです。湿気に強い柱を実現する削り職人とは?
柱の表面仕上げでは、カンナ掛けの最終仕上げに出るカンナ屑は、木の繊維の模様が見えるほど薄いのです。0.01ミリくらいのカンナ屑になります。
柱というのは熟練の最終仕上げをして、本物のカンナで削ると水気を弾き、何百年も持つ材として生まれ変わるのだそうです。
スタジオで実験。西嶋さんが持って来られた最終仕上げを施した実験材料で、水を垂らすと、最終仕上げの前の段階のものは垂らした水が広がってしみ込んでいきましたが、最終仕上げをした面は水を弾いて指ですっと飛んでいく感じ。スゴイですね。
①粗仕上げ
②中仕上げ
③仕上げ
本当にスゴイ仕上げだと顔が写るくらいになるそうです。将来10年、50年、100年経ってくると柱の色が変わってきますが、家の人が雑巾掛けをすると元のつやが出てくるそうです。
製材したばかりの木材は、表面に凸凹があり、水がしみ込みやすい。ところがカンナで表面をツルツルに加工すると、水を弾く。日本家屋の柱が水を弾く秘密は、0.01ミリレベルの削り仕上げありますが、その技を可能にするのがカンナです。
西嶋さんは命の次に大事なのはカンナだそうで、「カンナと身体が1つになる・・それを目指してやっています。1つになれば自由自在に使いこなせて、どんな木でも完璧に仕上げることが出来ます」というのです。ここがスゴイですね。
大工の棟梁、岩本さんの話では、「カンナの刃の調整は、台を叩いて刃を抜く。単純な調整を繰り返します」ということですが、画面を観ないと意味が分からないかもしれませんね。
カンナの刃が台から出ているのは僅かに0.01ミリだそうで、ほとんど見えませんが、使い馴れている熟練の職人さんは木材にカンナを置いた音で判断できるそうです。
こういう大切なカンナを大工さんは1人大体20丁くらい持っているとのこと。
刃のみでも一丁分何十万もするそうです。その刃を造る職人さんもいるわけで、職人の技術が結集しているのですね。
カンナ屑がとても美しいのです。カンナ屑の華と呼ばれているそうですよ。
今日のゲストの生駒さんは素敵なプレゼントを貰っていました。そのカンナ屑で造ったバラの花束です。とても綺麗でした。
2/8「氷」を削る[かき氷]
ひみつ堂 森西浩二さん
雲のような食感を生み出す削り技!!
外国人観光客の女性たちが絶賛。
「フワフワで口の中で溶けて最高に美味しい! もう5~6回食べに来てる」
「職人が手作業で氷を削っているから、あの食感を生み出せていると思うわ」と話します。
パティシエのジェニファー(フランス)さんが語ります。
「雲を食べているようなフワフワの食感、とても驚いたわ」←ココがスゴイ!
日光の天然氷を使います。
フワフワ食感には秘密がありました。
2週間かけてゆっくり凍らせた天然氷は-20℃です。冷凍庫から出してそのまま放置。-5℃~-4℃にして、氷をやわらかくすると、フワフワで薄い氷が削れるのだそう。また、食べた時にキーンと来ないんだそうですよ。
①氷の温度調節
②削る刃の「出す長さ」を調節する。(何だか柱の件に似ています)
こんな工程であのフワフワのかき氷が出来あがるのです。
スタジオで実演。
生駒さんは「空気を食べたような、だけどしっかり氷を食べてる。キーンとこないです」
太田さんも「ホントだ! キーンとこない」
当日の湿度、温度で氷の削られ方が違うことと、氷の大きさも違うため、刃を出す長さの調整にとても神経を使っているとのこと。
ジェニファー
「とても驚きました!」
かき氷はニューヨークでも大人気。
ニューヨークには最近、かき氷のお店が出来ました。今ブームだそうですよ。
3/8「木」を削る[輪島塗のお椀]
椀木地職人 寒長正造さん
光に透けるほど薄くするこの削り技!!
日本料理人 デヴィット(アメリカ)さんが話します。
「ここまで薄くしないと、それにならないなんて結びつかなかった」
スタジオで寒長さんが説明。
持参された木の器を手に持った田中裕二さんが「うわー」といい、「お前、大袈裟なんだよ」と太田さんが叱る。
「いやいや」と田中さん、木の器を太田さんに渡します。「?」言葉のない太田さん。
隣の石原さんに渡して、石原さん、つくづく眺め回します。ここで、え? 石原さん、やっちまった?
あ~あ、割れちゃった!! でもこれって出来レースかも・・?
お吸い物や味噌汁を口にするとき、日本人はお椀に口をつけます。
口に触れる縁の部分の「厚さ」がポイントなんです。出来上がった輪島塗の縁の厚さは2~3ミリなんですね。この輪島塗の元になる木の器は薄さ0.6ミリだそうですよ。
出来上がりは漆を塗るので、それを計算して元の木の器は薄く作られるのです。
その削り方がスゴイのです。
これは、説明のしようがないですねぇ。削りには3段階あって、1段階目は中から始めます。
元の大雑把な木の固まり、ある程度丸く削り、お椀の大きさに加工し、真ん中が大きくえぐれて穴を開けたた木を、ろくろを回しながら、底の1点に穴をあけ、その穴に打見棒を使って深さを決めて削っていくそうで、これは放送を観た人しか分からないかも・・。材料はケヤキの木です。
次の工程粗取りに進み、この工程で粗ガンナを使って完成形に近づけていきます。
椀用のカンナもあるんですね。
粗ガンナより滑らかな仕上げに使う仕上げガンナで、より形を綺麗に整えて仕上げていくんだそうです。ここで最後に0.6ミリという薄さに仕上げていくんですね。
これも音や勘だそうですよ。そして木地から伝わる振動で削り具合を判断している。まさに職人さんです!!
テレビカメラが、光が透けて見える状態をとらえていました。スゴイ!!
寒長さんはおそらくずっとこの削り一筋にやって来られたのですね。
輪島塗は分業だと聞いたことがあります。
4/8「ガラス」を削る[江戸切子]
瀧澤硝子工芸 瀧澤利夫さん
正確に美しいデザインを生むこの削り技は!!
フードプロデューサー ジェニファー(フランス)さんの話。
「江戸切子の模様はスゴイと思いますわ。本当に美しくて、細かすぎて時々どうやって作るのと思うくらい気になる・・」
瀧澤さんは「私の生きがい。これを今日は1つ仕上げていきたい」
と持参されたのは桜皿です。スタジオで実演。スゴ技を見せて貰いました。
桜皿は元々濃いピンクの色がついたガラスのお皿です。それを目の前で削る作業をします。
全てフリーハンドで模様を描いていきます。
瀧澤さんは日本の伝統工芸士(日本には22人しかいません)です。
ジェニファーさんの話。
「江戸切子のカーブのはいった作品を見ると、スゴいな~と思います。これはとても難しい」
スタジオ実演では、瀧澤さんがカーブを描いていきます。
まず太い曲線から描いていきます。ダイヤモンドホイールの砥石を使って削っていきます。
江戸切子で曲線を描くのはとても難しい技術だそうですね。
石原さんは、「グラインダーは直線だし、刃が真っ直ぐだからいいけど、曲線は・・」
瀧澤さん曰く「曲線をつける時は、手の方から動かしています。できるかぎり手数を少なくしながら強弱をつけて削るのがコツです」といいます。
ココがスゴイ! 色のグラデーションがある!
グラデーションにするには、太い線と細い線を滑らかに連結させるのだそう。
太い線を削り終えたら、ホイールを付け替えて細い線を削っていきます。
石原さんの提案。オリンピックに向けてもっときちんと世界にアピールした方がいいと主張していました。
作業が終わって、綺麗な桜色のグラデーションのあるお皿が出来上がりました。
素敵ですね!!
5/8「昆布」を削る[おぼろ昆布]
手すき昆布職人 別所昭男さん
身が厚く大きい昆布を原料に、一枚一枚職人が手作業で削り出す技!!
フレンチ割烹 ドミニク(フランス)さんの話。
「最高の旨味、口当たりも旨味も100%入ってますから、最高に美味しい。おぼろ昆布は最高の食材です!」
また、職人さんによって味が全く違います。
おぼろ昆布の味に影響するのがその材料の昆布の厚さ。上手く均一に削り出すことで、凝縮された味を作り出します。
そして、おぼろ昆布専用の包丁を使っています。
包丁の刃先の部分が反り返っている(?)ので、薄くて長いおぼろ昆布を削り出せるのだそう。
この包丁の欠点は、直ぐに削れなくなること。20分に1回は研ぎ直します。おぼろが出にくくなってくるのだそうです。
研ぎ方も工夫が要る。1度普通の角度に研ぎ直し、アキタという専用の道具で刃先を数回こすると、刃の向きが反って昆布が削れる状態になります。
本日のゲスト、料理研究家のベリッシモさんの話では、
洋食=食材を食べやすくするために切る
和食=切り方で変わる食材の味を楽しむ
この言葉に尽きますね。
6/8「石」を削る[宝石]
一級宝石研磨士 清水幸雄さん
形1つで石に輝きを生む削り技!!
宝石商 カピル(インド)さんの話。
「デザイン性も製品の作り方も、世界的に見てもスゴイ品質が高い。本当に誰もできないカットができる職人さんがいます。超有名なのがキキョウカットです」
キキョウカットの水晶を削っているところを見せて貰いました。
180面体にするのが目的です。
ベースとなる形、正12面全ての面が正五角形。
12面体→60面体→120面体→180面体へ段階を踏んで進んでいきます。
カピルさんは「インドでは見たことない技術」といいます。
そこには水晶を180面体にする削りの極意がありました。
7/8「木」を削る[仏像]
「慶派」大仏師 松本明慶さん
頭にイメージした形を生み出すこの削り技!!
外国人観光客の2人の女性は、
「とても美しくて平和な感じが滲み出ていると思うわ」と話します。
調査報道記者 ジェイク(アメリカ)さんは、お寺での経験もある人です。
「本当に見たいんですよ、木彫りの仏像作りを。1つの仏像に仏教の教え、考え方も入っているので面白い。微妙な表現です」
案内されたのは大きな作業場。
そこには、高さ1.7mの十一面千手観音菩薩が安置されていました。
さらに不動明王が離れたところにまるで浮かんでいるように置かれていました。
木から仏像を削り出す松本さんは、仏像を作る仏師の最高位の称号=大仏師でした。
鎌倉時代に活躍した運慶・快慶の流派、慶派を継承しています。
高野山の四天王像や、全国各地の仏像を手掛けた名工です。
その大仏師がスタジオに来てくれたのですね。
お仕事の説明のため?
現在、不動明王の仕事が進行中で、顔をどのように表現していったのかを話されています。
石原さんの質問「何が正解ですか? ご自身だけの不動明王ですか?」
松本さんの回答は「施主の方がどう拝まれるかで決まります。だから施主の方と何年も話し合います」とのこと。
その仏像に表情を生む削りの技の開始です。
「目で見て、手触りで左右のバランスを確かめながら、徐々に木を削っていきます」と語っていきます。見ているジェイクさんにも触らせていました。
確かに、ノミを持つ手が頬の一角を削ると表情が少しずつ変わっていきましたね。
この仕事は2年後完成の予定だとか。スゴイですね。
8/8「氷」を削る[氷の彫刻]
ホテルニューオータニ 平田浩一さん
彫刻家 シャンドル(ハンガリー)さんはいいます。
「尊敬しています。白鳥の細かいディテールまで氷でできるとは」
氷で白鳥を削る。氷彫刻といったら「白鳥」なんですね。言わば登竜門だそうです。
白鳥は氷彫刻では難しいところが詰まった題材だそう。特に首のS字や羽根の模様も、時には作業中に折れたりすることもあるそうです。
この平田さんは氷彫刻のコンクールでは18回連続グランプリを獲っているベテランだそうですよ。
まず、48時間かけてつくった氷で作業します。最初にチェーンソーが出てきました。
びっくりです。
ざっくり余分なところを削り落とします。その次にノミで大まかな形に。
続いて電動ドリルの先に鉄製のパーツをつけた工具でなめらかなS字を削っていきます。
そして羽根の模様に続きます。
「羽根は5センチ位の厚さしかないが、5センチの厚さの中で羽根を立体的に出したいので、内側をめくって羽根が重なったようになっている感じ、奥行きのある感じにするため一段落とします」
と、放送をご覧になっていない方は「何のこと?」と思われるでしょうね。
書きようがないので、スミマセン。
羽根の間隔は常に一定で、それも早い作業です。平田さんは25分で作業を終えました。
「作ってすぐになくなってしまう。その儚さが氷彫刻の最大の武器です」と平田さんはいいます。
そんな平田さんがスタジオで実演。
平たくて四角い氷を削り始めました。真ん中にドリルで穴を開けて作業開始ですが、終始その固まりの中で作業しているので何を削っていて何ができるのか、最後までわかりませんでしたね。
1分30秒でその作業は完了しました。
「はい!」といって平田さんは氷の塊をスッと立てて見せました。そこにはピンクの薔薇と3枚の葉っぱが削られていました。
全部頭の中でどこに色を入れるとか考えてはいるけれど、スピードが早いから無造作に色を投げ込んでいるように見えました。
ホント、素敵でした!!