5月26日放送 世界遺産 赤道直下! ナイル源流の山に氷河~ルウェンゾリ山地国立公園

5月26日(日)午後6時~6時30分、TBSテレビで放送される「赤道直下! ナイル源流の山に氷河~ルウェンゾリ山地国立公園 ウガンダ」についてご紹介します。
アフリカで3番目に高い山ルウェンゾリは、海抜5109メートルです。ハイライトは、熱帯のジャングル、広大な湿地帯、そして頂上を覆う氷河など、高度によって劇的に変化する風景です。

ウガンダのルウェンゾリは標高5109メートルの、キリマンジャロ、ケニア山に次いでアフリカで3番目に高い山です。そこには素晴らしい自然があります。麓の熱帯ジャングルを通過したと思ったら、コケでいっぱいの森で迷子になるかもしれません。山をさらに登ったら、広い湿原や岩場の多い地域が現われます。そして赤道のすぐ下に氷河山頂・・そんな変化に満ちた景勝地。高さ8メートルの「巨大な草」や、ここだけにいる鳥、ルウェンゾリトラコなど、貴重な動植物が見られます。

今回はドローンも駆使しての撮影でした!              引用:TBSテレビ

担当ディレクター小澤政志さんの話

実は2010年にもルウェンゾリを登っていて、今回は2度目。以前と比べて木道など徐々に整備が進んでいたことに、少し寂しさも。当時は無かったドローンで上空から撮影すると前回とはまったく違う見え方となりました。

外部リンク>>https://www.facebook.com/heritage.TBS

出演者

ナレーション 杏 1986年4月14日生 東京出身 A型


世界遺産に登録されることって、本当に後世まで残したい素晴らしいことなんですね。
アフリカには氷河のある山が3つもあると知りました。
有名なキリマンジャロ、ケニアとここルウェンゾリ山。どんな美しい景色が見られるのか楽しみです。

ルウェンゾリ山地国立公園ってどんなところ?

ルウェンゾリ山地国立公園

ルウェンゾリ山地国立公園                             Wikipedia

ルウェンゾリ山地国立公園は1941年に森林保護区として設定され、これを前身として、1991年に設立されました。次いで、1994年に遺産名「ルウェンゾリ山地国立公園」として、ユネスコの世界遺産に登録されました。

世界遺産 登録基準

(VII) 最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
(X) 学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。

ルウェンゾリ氷河後退か?

ルウェンゾリ頂上の氷河も20世紀以降の気候変動の影響を受けています。1906年当時の観測では、頂上に名前が付けられた氷河は43箇所が分布していましたが、2005年には、氷河の総面積は7.5 キロ平方メートル(当時のアフリカの氷河のおよそ半分)になっていました。

University College LondonのRichard Taylorらによる研究は、山岳植生と生物多様性への影響、そして地球規模の気候変動を研究しています。


たくさんの研究者たちのおかげで何とか、温暖化を遅らせようとしているのでしょうか?
本当のところ、この地球と言う星があとどのくらい生きていくのか誰にもわからないけれど、美しい大自然がいつまでも存在していることを祈らずにはいられません。

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追 記

赤道直下なのにナイル源流の山に氷河!?

ルウェンゾリ山地国立公園はユニークな生き物の宝庫だった!
ナイル川の源流、そこに高さ8mの巨大植物(?)が生えている。
風景は標高が高くなるにつれて目まぐるしく変化していく。
コケの森、高地の湿原、厳しい寒さの岩場など、標高4000mを目指して登っていく。

標高1600m ルウェンゾリ山登山事務所があり、登山の拠点になっている。

標高2000m この高さでジャングルが広がる。

ガイドさんが不思議な動物を見つける。スグロダイカー、ウシ科だが、日本カモシカに似ていると思った。

また、3本のツノのあるカメレオン。体長30cmほど。

ここでガイドさんも見たことのないカメレオン、オス同士の縄張り争い。ジョンストカメレオンは縄張り意識が強く、攻撃的だそうだ。元々そこにいた方が勝った。

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ルウェンゾリはアフリカで最も雨の多い地域だ。時には大粒の雹も降ることがある。

標高3000m 霧が立ち込めてきた。

毎日のように生まれる霧は奇妙な森を作った。熱帯雲霧林
ここには樹木の枝という枝にびっしりコケがついている。
コケが分厚く積み重なっている。雲霧林の外側、木の枝に白いものが垂れ下がっている。

風に揺れるレースのようだ。サルオガセという地衣類。やはり霧から水分を吸収し、光合成をしているのだとか。

標高3300m 広大な湿原。雨季になると一面水浸しになるそうだ。

高さ1m以上もある草の玉。スゲの仲間でここだけの固有種だ。
通常、スゲの高さは50cmほどだが、ここのスゲはその倍以上はある。

ガイドさんが見つけた。ブルーモンキーがいる! 普段は森に住むブルーモンキー、先端の花を美味しそうに食べている。綺麗なブルーで、何とも可愛い。

ガイドさんが珍しい鳥を発見。その時飛び立ったのは、鮮やかな赤い羽根の幻の鳥。2羽のオス。赤い羽根はオスだけなのか? この周辺にしかいないルウェンゾリトラコ。これもここの固有種だ。

エサは豊富にある木の実。

なぜ、ルウェンゾリにはここだけの固有種が多いのか?

ルウェンゾリは300万年前に、地殻変動が起こって隆起してできた山だった。島のように孤立して、そこで生き物は独自に進化していき、多くの固有種が生まれたのだ。

標高3500m ついに氷河を抱く山頂が姿を現わした。

進んで行くと目の前に大きな湖が現れた。かつて氷河にけずられた窪地に出来たものだ。ブジュク湖。

湖のほとりの登山ルートは泥沼地獄だ。後ろからついていっている登山者が、前の人の左足を引っ張りあげた。

そして、その先には奇妙な光景が。巨大な植物の林。まるで違う惑星?

ジャイアントセネシオ。ガイドさんの話では、ルウェンゾリに生えるとてもユニークな植物だということ。大きいもので8mもある。

すでに大きな木は生えないはずの標高だが、そこかしこにびっしり。全く見たことのない別世界だ。およそ10年に1度、黄色い花を咲かせる。よく見ると菊の花に似ている。実はジャイアントセネシオは木ではなく、菊科の草だった。

夜は氷点下。植物にとっては厳しい環境で、ジャイアントセネシオが巨大化した理由があった。

それは昼間浴びた陽の光の熱を多く幹に蓄えるため。

枯れた葉っぱが落ちずに幹に張りついたままになっている、これが断熱材の役目を果たしている。夜の寒さを防ぎ、幹を守っているのだ。

標高4000m 小さな白い花をたくさんつけた植物、サバーラスティングフラワー(ムギワラギクの仲間)。この花、毎日開いたり閉じたりしている。朝日があたると15分ほどで花は開く。

白い花びらのように見えるのは葉だそうで、寒さから花を守る。花は真ん中の黄色い部分。寒さに対応して進化した植物だ。

他にも高さ5mほどにまっすぐ伸びるのはジャイアントロベリア(サワギキョウの仲間)。寒さから身を守るため毛に覆われている。これも葉が進化したもの。青いのは全て花。たくさんの花が集まっている。

体長10cmほどの鳥がやってきた。サンバードだ。蜜を吸う代わりに花粉を体につけて運び、ジャイアントロベリアの受粉を助けている。きれいな鳥だ。

標高4500m 岩場に出た。酸素は平地の2/3ほどだそう。山小屋に着いた (こんなところに山小屋があるとは驚きだった! でも、あってもおかしくはない、登山ルートだった)。

夜明け前に雪が降りはじめた、雷まで。

奇跡的に雲が晴れ、小屋から600m上にある山頂を空から見てみることにした。ここでドローンの出番になった。

現れたのは氷河。長い年月雪が降り積もり、重みで氷となった。そのルウェンゾリの氷河が急激に溶け出しているという。

以前は氷に覆われた窪みに水がたまり、池になっていた。

氷河が溶ける、その影響とは?

地球の温暖化の影響が氷河にも植物にも出ていますと、ガイドのフィルモン・ムビワボさんがいう。氷河が溶けて小さくなり続け、代わりに植物が上へ上へと進出しているのだとか。

温暖化により気温が上がると、風や鳥が運んだタネがより高い標高で芽吹くようになった。

この山の氷河はあと20年ほどで消えてしまうのではと考えられている。

氷河を始まりとするこの山の水がアフリカの生態系を支えてきた。大量の雨が降る。山からの豊富な水で人間も動植物も生きている。生活に欠かせないもの。

流れはやがて大河ナイルなど、いくつもの川となってアフリカの乾いた大地を潤す。川に集まる多くの動物たち。内陸のサバンナは乾季にはほとんど雨が降らない。

アフリカゾウ、カバ、バッファロー、ウォーターバックなどなど。数々のここにいる生き物をルウェンゾリが育んでいる

赤道直下の氷河、それは命の輝きだった。

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