「アブシンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」は、エジプトの南部、ナイル川の上流、アスワン地区にあります。スーダンの国境まで300㎞の距離、アスワンハイダムは国境の50㎞手前、アスワンから250㎞のところにあります。
ダムで堰き止められてできたナセル湖のほとりにアブシンベル神殿があります。
アスワンからは日帰りのツアーが便利です。
ツアーは2種類で、アブシンベル神殿を見るツアーと＋アスワンハイダムとイシス神殿を見るツアーがあります。
エジプトはナイル川とともに生活してきましたが、ナイル川の氾濫はその都度、被害が甚大になり、今から約60年程前、1960年代にアスワンハイダム建設の計画がたてられました。
アスワンハイダムは、琵琶湖8個分のサイズで、18もの歴史的遺産、古代遺跡群が水没するような計画でした。
世界から批判を受け、またユネスコからの支援により重要な遺産は難を逃れ、別のエリアに移築されました。
アスワンハイダムの建設でフィラエ島は水没してしまいましたが、イシス神殿やエジプトの神々はアルギア島に移されました。
アブシンベル神殿の大小の神殿は世界遺産の登録基準のうち3つを満たし、他の遺跡群と一緒に、ユネスコから、歴史上重要な遺跡としての評価を受け、1979年に世界文化遺産に登録されました。
アスワンへ行って何を見ますか?
アスワンまでは電車で移動します。30ポンド(日本円約195円)から66ポンド(日本円約428円)まで電車によって料金は違います。切符は車内で買うシステムです。
朝8時前に出発します。3時間くらいかかりますから指定席がいいかもしれません。
切りかけのオベリスク(石の四角柱、先端がピラミッドのようになっている)を観に行きます。
市街地を1㎞ほど歩き左折してすぐです。これまで散々ピラミッド群を観てきましたから、近く感じるかもしれません。
その名のとおり、切り出している途中で放置されたオベリスクがあります。完成していれば高さ42mの最大のオベリスクです。
未完成のオベリスクは切り出す過程を知ることができます。
イシス神殿はアスワン中心部からは10㎞離れています。
ナイル川の中洲にあるためタクシーで桟橋まで行き、そこから乗り合いの船でいきます。イシス神殿の見どころはなんといっても素晴らしいレリーフの数々です。
この神殿はプトレマイオス12世（クレオパトラの父）によって築かれました。
オシリスとイシスが夫婦でその息子がホルスです。また、その妻がハトホルです。
壁画に描かれている裸の姿は子供の絵です。成人は裸ではありません。女性と男性と子供の姿が見分けられると壁画のストーリーも読み取れるようになります。
アブシンベル神殿を見学
アブシンベル空港から無料送迎バスで10分です。
アブシンベル神殿はアスワンハイダムの建設に伴ない今の場所に移されました。
年に2回神殿の奥まで真っ直ぐに光がはいり、冥界神以外の3体を照らします。
移転前はラムセス2世の生まれた日と王の即位した日でしたが、移転したことで日にちがずれてしまいました。
建造したのはラムセス2世で、第19王朝の時代です。大神殿はラーを祀り、小神殿はハトホル女神を祀っています。
長い年月砂の中にありましたが、1817年、イタリア人探検家のジョバンニ・バッティスタ・ベルツオーニにより入り口が発掘されました。またスイス人の学者により壁の一部が発見されました。
アスワンのホテルは?
・モーベンピックリゾートアスワン
ナイル川の中州にあるホテルで部屋も広く清潔で眺めも良いと評判のホテルです。船で渡りますが24時間対応しています。13,000円～
・アナカトヌビアンハウジーズ
アスワンの中心部から5㎞の距離にあります。
ナイル川を望む部屋でも9,800円です。6,000円台からあります。
アスワンからアブシンベルに行くのはホテルのツアーバスか1日1便のバスか、便利なのは空路利用です。アブシンベル空港からエジプト空港の無料送迎バスが出ています。
世界遺産の始まりは、アスワンハイダムの建設による移設工事がきっかけとなりました。
まとめ
エジプト旅行は断然バスを使うことが多いのですが、多少料金が高くても4つ星か、5つ星ホテルに泊まって、ホテルのツアーで行くのが時間もお金もお得なことがよくあります。
旅行者と見れば、バスやタクシーはほぼふっかけてきます。やられているとわかっても1日1便か2便しかないですから。
バスで急がされて払ってしまいます。これがいけないんですけど、行く手段がないときには、3倍だろうが5倍だろうが払ってしまいます。
一流ホテルはツアーに豪華なお弁当がついていたり、ミネラルウォーターがいいタイミングで出されたり、帰りのバスに乗り遅れて宿探しなんて心配もありません。ホテルの現地ツアー、なかなか楽チンですよ。
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