シイタケって苦手な人が案外多いんですね。あの独特の香りがイヤだという人もいます。
けれどもシイタケは、本当にいろいろな食材を引き立ててくれるうま味成分の宝庫ですよね。
水で戻すのに時間がかかるから、待っていられないとか。
確かにシイタケの袋の裏面には、ぬるま湯(35℃)で30分、水なら3~5時間と書いてあります。
「だから、母は前の晩に水に入れて戻していたんだ・・」という出演者のいとうあさこさん。
やはり、戻すのが面倒で自分では使っていないとか。
干しシイタケをおろし金でおろしてふりかける。これはあっという間に、戻したのと同じ効果で、アイスクリームだってコクが出て美味しくなるんだそうですよ。
以前、生シイタケをいただいたことがあって、たくさんありましたから冷凍したりして、大半は焼いてしょう油でいただきました。おいしいシイタケでしたが。
干しシイタケと生シイタケって同じものなの?
アメリカ・ロサンゼルスのハンバーガー店のマーティン・ハイヤリンさんは、「UMAMIバーガー」を売り出してヒットしています。
日本から取り寄せた干しシイタケをバーガーに挟む具材として使っていました。
そしてミキサーにかけて粉状にしたものを塩と混ぜて調味料にも・・。
驚いたのは、UMAMIという言葉は世界共通語になっているんですね。
干しシイタケは生シイタケの30倍ものうま味と栄養素がアップします。
含まれている栄養素は、カリウム、ビタミンD、食物繊維、葉酸。食物繊維はゴボウの7倍です。カロリーは100gで生シイタケは19kcal、干しシイタケは23kcalです。
では、干しシイタケって何でしょう? 司会の立川志の輔さんが真面目に回答者に尋ねました。
? 私もそうでしたが、干しシイタケって生シイタケを干したものだと思っていました。
別物だったのですね。
生シイタケは菌床栽培、干しシイタケは原木栽培です。
生シイタケはその殆んどがハウスで栽培されています。おがくずに、米ぬかなどの肥料を混ぜて固めたもので、栄養はたっぷり。そこにシイタケの菌を植えていきます。シイタケは菌の仲間なんですね。糸状の菌糸と呼ばれる体を伸ばして成長します。
ハウスの中で温度や湿度を管理しながら待つこと3カ月。
シイタケの菌糸がブロックを覆ってしまうほどに成長。
すると、ブロックの表面にシイタケがにょきにょきと・・。
ブロックにシイタケが現れました! これは驚きと可愛らしさにちょこっと感動しました。
こうしてできたのが私たちが普段食べている部分なんです。
菌床栽培って、実は平成に入ってから全国に広まったそうですよ。その100%が鮮度を生かした生シイタケとして販売されています。
では、干しシイタケは?
大分県では干し専用のシイタケがあります。
その栽培方法においしさを増す秘密があるんだとか。
取材に行ったスタッフさんが驚いたのは、そこにある道具でした。
発電機、チェーンソー、ドリル、金づち。何をするの?
行ったさきで農家さんはチェーンソーでくぬぎの木を切り始めました。長さは120cm。
切った木にドリルで一定間隔を保って穴を開け始めました。
そこに2cmくらい(?)のシイタケの種を入れて、金づちで打ち込み始めました。
なんと1日に2万個を打ち込んでいるそうです。
そしてそれから毎日、直射日光が当たらないように、木をひっくり返したりする作業が続くとのこと。直射日光があたると菌が死んでしまうのだとか。寒さには強いけど、暑さには弱いんだそう。
待ち時間はなんと2年間です。
シイタケが顔を覗かせる頃には、くぬぎの木の皮を突き破って出てくるので、原木シイタケは分厚く、頑丈に育つのです。
シイタケとはいいながら、本当に別物なんですねぇ。
干しシイタケって生シイタケよりおいしくなるの?
シイタケの細胞の中には、リボ核酸と酵素があります。シイタケは干すと細胞の中が壊れて、リボ核酸と酵素が出会ってしまいます。この2つが出会ってできるのが、グアニル酸といううま味です。
うま味には、昆布のグルタミン酸、かつおのイノシン酸、シイタケのグアニル酸があります。これらのうま味は互いに相乗効果をもたらす関係にあります。
グルタミン酸×イノシン酸=うま味7倍。
グルタミン酸×イノシン酸×グアニル酸=うま味30倍。
番組ではデンマーク、コペンハーゲン大学のオーレ・モウリット教授に話を聞いてきました。
グアニル酸がうま味を引き出す仕組みを7年前に世界で初めて発見された方です。
「干しシイタケが持つグアニル酸は、人体の構造を変えて、脳に強い〈うま味〉の感覚を与えてくれるんです」
えっ? 人体の構造を変える!?
学会でも大注目を浴びた教授の発表とは?
人間の舌にある味蕾の中のうま味を感じる部分は、グルタミン酸が入ってくると、「おいしい」ってうま味を感じます。けれど、そのうま味はやがて唾液などで流されてしまいます。では、一緒にグアニル酸が入ってくると、味蕾の一部が変形してうま味を抱え込んでしまいます。より強く、より長くうま味を感じるようになります。
これがうま味30倍パワーなんですね。
干しシイタケって戻すのが面倒・・
干しシイタケがどの位使われているかを調査したところ、65%があまり使わない、水で戻すのが面倒という回答でした。
こんなにおいしくて栄養があるのに、生産量は減っていくばかりです。
何とか頑張ってこれからも生産してほしいですね。
戻した干しシイタケは、戻し方が、ぬるま湯と冷水ではおいしさがちがいます。
前の晩に水につけて冷蔵庫で戻した場合は、うま味が3倍以上になります。
大分県庁には、シイタケ振興班があります。干しシイタケ消費拡大のためにさまざまな活動をしています。けれど、中々拡大には至らず、前出のアンケート結果のようになりました。
そこで秘策を考え出したのです。それは冷水で戻した場合とに引けをとらないおいしさなんです。
漬け物に使う真空容器に干しシイタケと水を入れて、容器の空気を抜いていくのですが、うーん、結構これは疲れますね、5分ほどかかりますが、相当力を入れて空気を抜いているみたい。これは浸透しないなぁ・・。
空気を抜くこと5分、シイタケから泡が出てきて、水に浮かんでいたシイタケが沈んできました。出してみるとやわらかく戻っています。けれども、これは浸透しない、と思います(笑)。だって面倒くさいですもの。
ま、5時間と5分を比べれば確かに時短にはなりますけど・・。
番組は大分県で日本一の干しシイタケ作りの名人を訪ねました。生産量が減っていることにがっかりされています。
そこでシイタケ振興班は考えました。
干しシイタケの試食大会を開催したのです。メニューはなんと、アイスクリーム!?
呼びかけで集まってくれた人たちの前で、なんと、おろし金で干しシイタケをおろし始めました。
「ええっ!?」あっけにとられている見物人は、アイスクリームにシイタケ? と不審顔です。
バニラアイスの上から、おろした干しシイタケをふりかけて見物人に渡しました。子どもたちは少し引き気味に食べて見て、「おいしい!!」と。
つられて周りの人たちも一口、おいしいといい始めましたよ。
「コクがあるよ」とか「おいしくなった!」「バニラが濃厚になった」とか。
試食会に参加していた干しシイタケ作りの名人は、ホッとすると同時に嬉しそうな笑顔になりました。
アイスクリーム 200g
おろした干しシイタケ 3g お好みで調節します。
干しシイタケは使う時にその都度おろせばOK!
パスタ、カレー、炒飯、ハンバーグ、味噌汁など、仕上げ前におろした干しシイタケを一振りします。
加熱の最中に足すのがポイントです。
既出のロサンゼルスのハンバーガー店。粉末にした干しシイタケで調味料も作っているとお話しましたが、UMAMIダスト、肉にそのまま一振りするだけで尚、おいしさが増すんだそうです。
そして、干しシイタケの粉末は独特の香りが少なくなります。だから、苦手な人にも抵抗がなくなるかも。
まとめ
最初に出演していた、シイタケが苦手だった梢ちゃんという女の子は、味噌汁に入った干しシイタケを口から出しちゃったけど、おろした干しシイタケが入った炒飯はおいしいって、ママを喜ばせていました。
番組回答者の山崎さんは、干しシイタケの名前変えたら? と。うまみダケにしたら? と提案していました。シイタケ振興班の女性は喜んでいました!
確かに、「うまみダケ」は中々いいネーミングだと私も思いましたね(笑)。
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