近所付き合いが希薄化していると、厚生労働省は厚生労働白書の中で、毎年の統計数値として報告を上げています。
厚生労働白書は厚生労働省の年次行政報告書です。
報告によると、近所付き合いは毎年低下しています。
希薄化は都市部から始まっていましたが、平成28年版では都市部から地方まで広がってきています。
単身者や賃貸物件居住者世帯は、近所付き合いが少ないと報告されています。
では、近所付き合いの希薄化が進む世帯では、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
近所付き合い希薄化? これから希薄化はどんどん進む?
近所付き合いの希薄化の原因としては、共働き世帯が増加している。
賃貸物件に暮らす人の増加。
単身者の増加。
近所付き合いが希薄化してきている、と厚生労働省白書でも毎年統計を出しています。
都市部で暮らしているとあまり気にもなりませんが、そもそも近所付き合いって必要ですか?
近所付き合いで助かったこと、困ったことがネット上に寄せられています。
近所付き合いで助かったこと
・震災のときに避難場所や水の配給が回覧で回って来て助かった。
・お祭りなどの役員をしたおかげで知り合いができ、孤立感がない。
・子供が熱を出した時に会社が休めない状況だった。その上で、日頃お付き合いをしている隣
人が親切に食事や付き添いをしてくれた。
近所付き合いをしなくて良かったこと
・地域のゴミ出しのトラブルに巻き込まれなかった。
・休みの日の奉仕活動に出なくて済む。
・冠婚葬祭のときに近所を気にしなくて楽だった。
近所付き合いの希薄化の問題点は?
近所付き合いの希薄化、その原因は? 希薄化に問題点はあるのでしょうか。
近所付き合いの希薄化で子供の虐待に気がつかなかったり、単身高齢者の孤独死などの問題が起こっています。
最近頻繁にニュースに流れて心が痛みますよね。
昔は近所で子供が泣けば、ぞろぞろ様子を見に行きました。
お節介なおばちゃんが仲裁に入ってくれて、事なきを得ました。
個人情報保護法にも問題があるようです。人の家に入れませんよね。
許可がないから発見出来なかったなんて言ってますよね。
何のための個人情報保護法なんでしょう?
賛否両論ありましたが、こういう法律も通ってしまうんですよね。
このことに関してどこに話せばいいのでしょう? 地域の政治家でしょうか?
忙しい政治家の先生は一介のそうした訴えを聞いてくれるのでしょうか?
やっぱり個人情報云々と持ち出して終わりにするのでしょうか?
個人情報云々はおいておいても現実に起こる問題を、どこで聞いてくれるのか、個人情報保護法以前の問題ではないかと思うのですが。
災害被災者の孤独死も胸が痛みます。
何かあっても、調べることができないのですから。
近所の1人暮しの人が路上に倒れていたので救急車を呼んだら、本人か家族の同意がなければ搬送できないと言われました。でも、彼の家族のことを知る人はいませんでした。
そうしているうちに亡くなったらどうするんですかね?
30分後に遠い親戚が見つかりましたけど、親戚の人は迷惑そうでした。
だから彼は病院に行くことを拒んだのです。身寄りがないから。
現代社会がこんな仕組みになっていたなんて、本当に心細くなりました。
みなさんは、近所付き合いってどんなことをしていますか?
町会や自治会、商店街の組合など、なんらかの形で参加していますか?
隣の人の家族構成や仕事を知っていますか?
子供のいる家庭では、学校関係のつながりがありますね。
でもね、子供のいない家庭や、子供がすでに社会人になっている家庭で、なおかつ賃貸アパートの暮しだったら、ほとんど近所とのお付き合いはないのです。
田舎暮しなら、賃貸の住人も参加するのでしょうが、都会では昔からの町会リストが更新されていないのでしょうか。
町会への勧誘もありません。
こちらから入りたいとは言いにくいのです。
いきなり役員にでも要請されたら辞退しにくいですしね。
隣の人と関わりたくない訳ではなく、関わるきっかけがないのです。
地域によっては、参加を促すところもあるようですね。
近所付き合いって必要なの?
どんどん、高齢化社会に進んでいっています。
高齢の単身者世帯にとっては近所付き合いは切実な問題なのです。
訪問介護も毎日来てくれるわけではありません。
病気になってしまったときに、買い物に困ります。
近所が気がついて声をかけてあげたら、どれだけ助かるでしょう。
私の住む街では、1人暮しの高齢者には民生委員さんが付きます。
これはどこの自治体でもやっていることだと思います。
時々様子を見に訪ねて行ったり、連絡事項を知らせに行ったりしているようです。
けれども頻繁ではありませんし、その民生委員さんも高齢だったりしますので、どこまでやれるのでしょうね? ただ付かず離れずのような常にべったりしたお付き合いではないので、ホッとするところもあります。様子を見にきたの~と、嫌味ではなく、ちょっとした手土産をもって来てくれるといいます。
まとめ
最近、ちょっとしたことに気がついたので、はじめてみました。
簡単なことです。回覧板の読み上げです。
お隣は高齢の1人暮しの男性なのですが、休日に病院に行くところをすれ違いました。
ふだん、顔を合わせれば挨拶はしていましたので、休日だからと、行こうとしている病院が開いているかどうかを尋ねてくれました。
話を聞いて、スマホで近くの病院を調べました。
休日診療の病院を探すのは、スマホ世代には簡単なことですが、スマホを使えない世代には大変なことなんですね。
行く予定だった病院は休日診療はしていなかったのです。
回覧板も読みますが、記憶できません。
うちは賃貸なので、回覧板はきません。
確か回覧板に書いてあったって言ったのをきっかけに、回覧板が来るとうちに回してくれるようになりました。
私が読み、必要なことはメモしてメモ付きでお隣に返します。
お隣の様子もわかりますし、うちもこれまで知らなかった地域の情報がわかります。
毎日惣菜を買ってきて食べているようです。月に2回ほど、1人暮しの近所の高齢者に煮物やシチューなどを届けます。
個人に出来ることは小さいことですが、少しでも地域に関わることは、自分にもプラスになります。
きっと身の周りにできることがあるはずです。
少しだけご近所付き合いはじめてみませんか?